相手のことを理解するのに、いったいどれくらいの時間を要するのだろう。 自分のことを理解してもらうのに、どれだけの言葉が必要なのだろう。 考えても答えは出ない。 他人を理解することなんて、そんなに簡単じゃない。 だから、知られてはいけないこの気持ちは、きっと理解されない。 Not realize 「俺の相手もしてよ」 ざわつきが静まりかけた放課後。人が疎らになった教室に夕陽が差し込む。 後ろに座る友人から、なんのきっかけもなく声を掛けられた。 「は?」 突然言われた言葉の意味を理解することが出来ず、気の抜けた声が出る。 「颯太、最近更科にベッタリだよな」 体をひねり、振り返る。声の主は窓の外を眺めたままだ。視線はこちらを捉えておらず、目線は重ならない。 本田の言ってる事の真意が分からないまま、俺はんんー、と首を傾げる。 コイツは今、なにを考えているんだろう。 「そう、かな?別に気にしてなかったけど」 「そりゃ、ご本人さまはそうだろうなあ」 声に笑みが含まれる。目線は相変わらず窓の外だから、本当に笑っているのか俺には分からなかった。 どこか上の空のようで、少しだけ、違和感を感じた。 「……本田、なんか怒ってんの?」 |