「じゃあおやすみ、佐川くん」 「うん、おやすみー」 唐突に掛かって来た佐川からの電話を切ると、 瀬田の膝を枕にして眠っていたマナがゆっくりと目を開けた。 通話時間27分。 実に27分も、マナは瀬田の膝枕を堪能したことになる。 猫でも撫でるように、瀬田はマナの髪の毛や耳を電話中に撫でていたが、 その触り方は気ままで、もっと触ってよ、とマナは言いそうになっていた。 言わなかったのは、電話を邪魔したくなかったのと、 ついでに、その触り方が少し気に入ってからだけど。 佐川の賑やかな声が無くなると、途端に部屋は静けさを取り戻した。 電話が掛かったからと切ったテレビを付けることもせず、 マナを膝枕してたまに髪の毛を撫でる。 「このまま寝そう」 マナの長い睫が重たそうに開いて閉じてを繰り返すが、 その頻度が明らかに落ちてきた。 「ベッド行こうか?」 |