瞼を開ければ、歪む視界の中で白い天井が見えた 起き上がろうとすれば途端に引き攣るように痛み出す身体 痛い、と叫ぼうとした唇を噛み締めて、ただひたすらその痛みに耐え続けた 固く閉じていた目をゆっくり開けて ゆっくりと呼吸をする度、その痛みが引いていくのを感じる 巻かれた包帯の白と、所々滲む赤 愛だと呼ぶのには綺麗過ぎたその赤は、 「城崎さん」 「瀬田先生…」 ――いつだって騙される方が悪いんだ 遠くに響く声を反芻するように静かに目を閉じる 「城崎さん、体調どう?」 優しく撫でるようなその言葉はきっと、愛を知らない彼の寂しさだ 彼は私の子供のようなワガママさえ許してしまう 傷つけたり、突き放したりしない。それを私は知っている だから、私が「好き」なんて言っちゃいけないんだ その言葉を伝えてしまったら、彼を裏切るような気がして 彼は悪くない 愛を知らない、誰も愛さないあなたを好きになってしまったのは私 ただそれだけだ 本当に、それだけだ 「……だいじょうぶ」 好きなんです その言葉を伝えられなくても、私は |