遠くに自分を呼ぶ声が聞こえた 「優希」 「…瞳子」 おはよう、と形作られた唇 寝ぼけた頭でそれを返してみたが、ちゃんと言えただろうか 「珍しいね、優希が私より遅いなんて」 ほら、朝ごはん。食べよ ぼやけた視界に映る朝食 瞳子が作ってくれたのか、シンプルにもそれらは机に並べられていて 「夢を…見たんだ」 唐突すぎる言葉に瞳子は驚くこともなく、ふーんとだけ返事をした 「朝起きて、着替えて、学校に行って…」 「随分日常的な夢だね」 「うん、でも…」 瞳子がいなかった 「…夢だよ」 「うん」 「夢だったでしょ」 「うん」 なら何も問題ない。それは優希が見た夢 大丈夫だよ、だって… 「結婚するんでしょ。私たち」 「……そうだね」 あれは夢だね 瞳子はここにいる ここにいてくれる 何も不安がることなんてない 「「ごちそうさま」」 もう、今朝見た夢は忘れていた |