―上流の遊びを教えてあげるよ― そんな馬鹿げた文句に釣られたこともあっただろうか。 光に群がる蟲のように、掌に握り締めた金貨に集まる女は腐るほどいる。 さあ、今宵の蝶は、どう楽しませてくれるだろうか。 【ラジウムの空】 ドアを開け入った部屋には、仮面を付けた男が月明かりの下でパイプをふかしていた。 「いらっしゃい、お嬢さん。」 口元を緩めこちらを見ず空中へと白い煙と共に言葉を吐いた。 「・・・・・・。」 無言で重たい扉を閉めると、小柄な少女は不似合いな高いヒールからカツカツと音を立て近寄ってきた。 「今日のお相手はどなたなのかしら・・・。」 男の傍まで寄ると身を屈めそっと仮面に手をかける。 「おっと、此処から先は別料金だ・・・。アンタのその仮面も、お飾りじゃないだろう・・・。シビアにいこう。・・・お互いにな。」 笑みを含んだ声で男は少女の仮面を撫ぜるように触れた。 |