「玲二、私の事好き?」 帰ろうとしていた背中に問いかけると、すごい早さで振り向かれた。 「なっ」 ほんの気紛れで聞いてみただけだった。 新菜に聞かれて、私も人に聞いてみたくなっただけなんだ。 それなのに、どう受け取ったのか知らないけれど、 目の前の闇医者が目を見開いたまま固まってしまうから、 私までどうして良いかわからず、気付いたら同じ様に固まってしまっていた。 数分してもそのまま何の反応も見せないから、耐えかねて名前を呼んでみる。 「…………玲二?」 口も開けたまま固まっていた顔が、私を瞳に移した瞬間一気に赤くなった。 「なっに、を、いきなり聞くんだお前は…!」 眉間に皺を寄せて歯切れ悪く言うその姿は、多分怒っているように見える。 けど違う、何年も一緒にいるんだ、 それが怒っているように見せてるだけだと私にはすぐ判る。 「やっぱいい。何でもない」 野良犬にでもする様に、しっしっと手を振ってから部屋の奥に引っ込む。 「おい待て、真梨香っ」 あー、もう…。 私まで顔が熱くなってきたじゃないか。 |