自分とは違う存在。容姿とか、そういうもではない。纏う空気が常人とは違う。 そのような人間が何故自分とつるんでいるのか、理解することができなかった。 もう何年も一緒だが、未だ解決していない。 「レンさーん。・・・レンさん?居ないんですかー」 他人の家に我が物顔で上がり込む。今ではここで過ごす時間の方が長い。 「レンさー・・・あ」 ソファに横たわるのは、自分がさっきから呼んでいた名前の人間の妹。 「・・・寝てる」 自分と同じほどの体を小さく縮こまらせ、小さく寝息を立てている。ソファの下に落ちていたタオルケットを拾い上げ、その体にかける。 「・・・まじかよ」 黒々とした睫毛が濡れている。 涙。 年頃の女の子だし、この容姿、学校で何かあったのかなーなんて。色素の薄い髪が自分の手に触れる。その手を挙げ、彼女の頭に触れようとした。 彼女のことを、いつの間には自分の妹のように思っていた。頼られるのも嫌いじゃない、その顔が笑顔なら、自分も嬉しい、そう思ってた。 「・・・せんせ」 体が硬直した。 その時芽生えた感情は、嫉妬、独占欲。しかし彼はそれに気づかないふりをした。 「・・・くそ」 身を屈め、癖の強い髪の毛に口づけした。 「ただいまー」 「あ、レンさんおかえりなさい」 「あれー、要来てたの?」 「呼んだのあんたでしょ」 「そうだっけ?」 「・・・ん」 「あ、マナちゃんおはよ」 「・・・レン?」 「ああ、ただいま」 「おかえり」 「マナー、おなか空いたんだけどー」 「うん、わかった、すぐ作るね」 「よろしくー?」 「要、手伝って」 「うん」 彼らにとって、自分とは。 自分にとって、彼らとは。 今は解らなくていい、この時間が彼には居心地がいいから。 もうすこし、気づかないふりをしていよう。 |