彼は私がワガママを言うとき少し眉を寄せる。 幼稚な甘えと共に行われる愚かな密事。 触れ合うそれに安心しきって考えることを投げ出した。そんな私を先生はどう思っているのだろう。 中に出してと言ったら中に出してくれた。何回だってしてくれた。 それはあまりにも簡単にに与えられるものだから。私は彼を試したのかもしれない。 「…なに、言ってるの」 蔑みさえ浮かべて彼は眉を寄せた。 珍しい彼の表情に私は恐れを感じるどころか幸福感さえ抱いた。 彼のものなら何でも欲しいと思う私は本当に馬鹿みたいだ。 「中にも出してくれたのに、それは嫌?」 ベルトを穴から抜き取って、そっと外しにかかった時私は言った。 ――口に出して、と。 下唇をそっと撫でて、首筋を通りすぎたら、胸、腹部へ爪を伝わせる。 彼は電源が切れちゃった機械みたいに動かない。 「先生、だめ?」 いつだって私の願は叶えられた。神の手でもなんでもなく彼によって。 情事の前戯にもならない子供だましの賭けを私は愚かにも始める。 「城崎さんそれは…」 「マナ」 「…マナ」 情欲の中に隠れた支配欲に彼は気づくだろうか。 金具に手をかけてこれから訪れるであろうその行為にそっと唇を舐める。 痺れを切らしそうな理性に身を任せながら。 |