焦がれている。 心の奥底では、貪欲なほど、焦がれている。 痛いほどの快感と、背徳に溺れる欲望に。 僕はまた、見ない振りをする――。 Chastisement,please... 待ち構えていたかのように、目の前に立ちはだかる。 自分よりタッパのある人間なんて、そうそうに居ないのだから、顔を見上げることなくその人物を想像することが出来る。 「おかえり〜」 短く声を掛けられるも、僕は聞こえない振りをして横を通り過ぎる。 あっけなく、引き止められてしまったが。 「離せよ」 右手に食い込む冷たい指の感触が、僕の皮膚を通して伝わってくる。 ごつい指に似合わない華奢な指輪が腹立たしい。 「どしたの? 今日はいつにもましてツンツンしちゃって」 見下ろす茶色の瞳に、僕は捕らえられたまま身動きが取れない。 キッ、と睨みつけると、彼は嬉しそうに笑った。それでも瞳は、全く笑ってはいない。 「女に困ってないなら、僕のところになんて来るなよ。迷惑だ」 にやけた顔から目をそらし、掴まれた右手を見る。 同じ男の筈なのに、振りほどけない。 「女に困る、なんてこと今まで一度もないけど? それに、女に不自由してるから男を抱くなんて、俺はそんなに落ちぶれて……。ねえアキちゃん。俺の顔見て?」 その言葉と同時に顎を掴まれ、無理やり正面を向かされる。 「ぐっ……! なにすん……!」 「コレ、なーんだ?」 |